インタビュー

上海での子供たちの教育!感性と好奇心を磨く。

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 自分の人生と向き合い、未来を描いていく。それは誰しもが持っている本質的なテーマです。想像力は自問自答しながら、他の人と対話して培われていくもの。今回上海スタイル編集部では、対話のプロフェッショナルにして上海と日本の教育についてよく知る、大藤さんに独占インタビューを行いました。


ーー 大藤さんは上海では個別指導塾WITの塾長、日本ではLogos IESの代表として生徒の指導をされていますよね。日本の生徒が10代を上海という外国の都市で暮らすというのはある意味特別だと思うんです。大藤さんが彼らに意識させたいことはありますか。

DSC_1709大藤 僕個人は上海から東京にない種類のエネルギーを感じるんですね。それから直感的に中国の人は生命力にあふれていて逞しいとも思う。だから生徒たちにも上海が発する情熱を感じてもらいたい。そのためには、やっぱり彼らの中のアンテナを常にたてておく状態にさせること。想像力と好奇心。この2つを伸ばす手伝いをしたいと思ってます。

ーー 高校までは学校生活が中心の生活になると思います。特に上海では行きと帰りが送迎バスなので、上海をぶらぶらと寄り道、というわけにはいかないですよね。安全面では安心ですが上海でカルチャーショックを味わいにくい面もあるのではないでしょうか。

大藤 集団内で固まって閉じこもるというふうに言うとマイナス面が強調されるけど、例えば日本人学校では、日本の全国各地から学生が集まって来ているから、自分と異なる環境を背景に持つ人と出会う機会は多いんだよね。個人的にできる事をさらに言えば、好奇心の可能性を高めるために僕が感じる上海と、生徒が感じる上海を共有していきたいですね。

ーー 好奇心の可能性、ですか。

大藤 学力は当たり前だけど、それ以外のイメージする力を伸ばすことも大切に。上海にいる生徒は日本では味わうことが出来ない環境を、味わっていることが上海の学生の特徴だからね。聞きたいんだけど、記者さんはどんな好奇心を持って上海に来たの?

ーー 私は日本の地方出身者ですが、「都会というか外の世界をみたい」という気持ちがあって。それが影響していると思いますが、都会を飛び越え上海にきてしまいました。

DSC_1700 2大藤 「外に出ることが出来れば何かがある」ということかな。

ーー その通りです。当時、高校生の私にとって、「外」というのは東京の大学だったんです。それから中国の本を読んで、中国のイメージを自分なりに持って、「確かめてやろう」と思って上海へ旅行したのがきっかけですね。

大藤 なるほど、読書の影響か〜。別の世界を垣間見るには、方法として2つあると思うんだよね。1つ目は人と話をすること。2つ目は本を読むこと。読書というのは自分の行けない場所への距離を縮める手段だから。本を読んで、自分とは異なる世界を見て、「自分もこんな生き方がしたい、こんな場所に行ってみたい」っていうふうに憧れを持ったり共感したりしてね。

ーー 別の世界を見て好奇心を高めた子どもたちが、上海から日本に戻って、またカルチャーショックを受けるのでしょうか。

大藤 上海の経験を生かして、ぜひともカルチャーショックを受けてほしいよね。それには外から入ってくる情報に敏感になっていることと、自分の経験を十分に消化して自分なりの物差しを作っていることが必要になるわけだから。日本でその物差しで計れるもの、計れないものを沢山味わってほしい。そのことが日本が元気になることに繋がるんじゃないかな。

photoーー 「日本が元気になる」といえば、屋久島で行われる総務省域学連携プロジェクトの講師もやられていますよね。高校生と大学生に屋久島の生活を体験してもらうっていう…

大藤 そうだね、村の人や大学の先生に講師をしてもらって、彼らに話をしてもらうんだけど、やっぱり別の場所に行くと、自分たちの今までスポットが当たっていなかった部分が出てくるわけ。日常から飛び出す事によってもう一回日常を見つめ直すっていうプログラム。

ーー そのプログラムでの大藤さんの担う役割はどのようなものですか。

大藤 別の場所にいって、「楽しかった」だけじゃ修学旅行と変わらないから、その経験を言葉にする手伝い。

ーー 最後に言葉として発表するのが単なるフィードワークと異なる点という事ですね。

大藤 もちろん言葉だけじゃ限界があるけど、言葉にしないと感じられないよね。言葉の限界までたどり着く事によって、言葉の先に感性があるっていうことに気づいてほしい。例えば「悲しい」って言葉で表現しても、「悲しい」っていう奥になにかモヤモヤした違和感があるよね。

ーー 例えば音楽であらわすと「音で言葉の先にある感性を表現する」という事でしょうか。

大藤 そう。例えばベートーベンの第九などを聴いたりすると、生きてる中でこれだけ苦しみを感じていた人がいたんだなと、何世紀も飛び越えて生きる苦しみを共感できるんだよね。でもそれを言葉で「つらい、僕は生きてるのがつらい」っていうと変質してしまうでしょ。演奏家達には2つ信念があるように感じて、音楽を自分の中で「翻訳」して、他の人に伝えること。もう1つは「生きるってこれだ」っていう感覚を感じ取る事。例えば、ミレーのあれ知ってる?

ーー 「落穂拾い」ですか?

大藤 『落穂拾い』と共にミレーの三大名画と言われている「羊飼いの少女」っていう絵なんだけど。光をバックに羊がいて、少女が右斜め下を向いてるやつね。あれってさ、なんで切なさを感じると思う?少女はただ編み物をいじいじしてるだけなんだけど。僕は絵を見て、この少女は誰と恋に落ちて、結婚をして、どういう喜びを得るのかを想像する。おそらく羊飼いの世界の中で一生を終えていくわけだけど、それは自分にしても一緒で、限られたフィールドの中で生きていると思うんだよね。そう考えると生きるって有限だな、って思うんだよね。
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ーー 限られた自分の人生と向き合い、未来を描いていく。

大藤 生きるって有限だけど、そのなかで必死に生きてたり、それに気づいたり、気づいても知らない振りをしたり、全く気づかなかったり。自分の中でそれぞれあると思うんだけど、そのなかで生きるっていうのは切ないな、と。

         

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